出来事

普段、この日記は読んでくれる人がいることを“一応”意識して書いていますが、今日は私の忘れたくないことを書きたいと思います。
もしかしたら読んでて嫌な気持ちになってしまうかもしれません。
もし、そういう気持ちにしてしまったらごめんなさい。 byもね母

昨日のフリスビー大会の帰り道。
川越街道を走っていると、隣の車線上に茶色い物体が横たわっているのが見えた。通り過ぎざま、それが猫だとわかった。
いつもなら『可哀想に…』で通り過ぎてしまうのが、そうできなかったのは、その猫がほとんど外傷がなく横たわっていたから。
赤信号で止まって振り返ってみると、次々と車はその猫を避けていく。
だけど、もうすぐ暗くなりよく見えなくなってくれば、いずれもっと轢かれてつぶされていってしまうだろう。
もう死んでいるのだしと思っても、いたたまれなかった。
とーちゃんも同じ気持ちだったと思う。私に『どうする?』と訊きながらも、もう車のハンドルは左の路肩に切っていた。
二人で車を降り走って戻った。とーちゃんに走ってくる車を止めてもらい、急いで猫を拾い上げた。
まだ暖かい、とても柔らかな体。ちょうど寝ているココを抱き上げた感じ。恐らく轢かれてまだ間もないのだろう。
額が割れて血が出ている以外は外傷はなく、即死だったと思う。
とりあえずこれ以上轢かれる心配はなくなったが、このままほっておくこともできず、私は連れて帰ると言い出していた。
だけど、我が家には庭もないし、今日は日曜で保健所もやっていないし、明日は朝から仕事だし、何よりもねとココがいる家の中には置いておけないと、冷静にとーちゃんに諭され、結局、市役所に電話して住所と正確な場所を教えて、係りの人に引取りに来てもらう手配をした。
そして街路樹の下に猫の死体を置いて、その場を立ち去った。

残ったものは、何もしてあげられなかった無力感。
小さな出来事だけど、忘れたくないこと。